カレンダーガール

それはハッカ、これはにっき

Alternative Plans

  人生は選択の連なりである、と近頃何処かで聞いた、いや見た気がする。まったくその通りだと思う。今日の昼ごはんを食べる場所、そして食べるものにから進路まで、などなど選択の積み重ねである。

 

 

 

  もう思い返すこともほとんどなかったが、私はもともとは文学部に行きたかったことを思い出した。人一倍早くに中二病になり、罪と罰にはじまりいわゆる文豪と言われる人たちの本をこっそりと読んでは、人生について思い悩んでいた。日本の文学、加えて西欧の文学にも興味があった。そしてその頃は本気でライターになろうと考えていた。そのまま高校生になり、部活後に雑誌を立ち読みするかCDを中古で借りるか買うかして家に帰り、こそこそと批評を書いては直し書いては隠し、を繰り返していた。

 

  進路選択のときは忘れもしない。予備調査では2回とも文系で提出した。成績を見ても文系科目が良く理系科目が悪かったので、文系に進むのは至極当然だと思ったし、周りもそう思っていた。ところが、本調査提出の夜である。もうこれで文理が決まると思うと急に迷ってきた。本当にこれでいいのだろうか?と。調べてみたが、ライターは文理どちらの出身もいる。あんまり関係なさそうだ。その頃にはSEにも研究職にも興味が湧き始めていた。本当にこれでいいのか?散々悩んで夜を明かし、結局こっそり理系に変えて提出した。担任と母親には驚かれ呼び出しも食らったが、何故か父親は理系に進んで欲しかったらしく、喜んでいた。なんだか漫画みたいだが、これが私が理系を選んだ時である。

  こんなことするのは自分だけだろう、と思っていたが、なんと小学校から11年間クラスが同じだった幼馴染も同じことをしていた。一緒に文系だね!なんて言っていたのにお互い一言も言わずに突然変えて、しかもそれが同じだったのだから本当に笑ってしまった。

 

  そんなこんなで今理系に進んでいる訳だが、まったく後悔はしていない。むしろ文系だと私は大学のその先はどうしていたのだろうか、全然思い描けない。今だって大したビジョンがあるわけでもないが。

  何故あの時急に変えたのかよく分からないが、自分は趣味と仕事を一緒に出来ない性分だとなんとなく気付き始めていてブレーキをかけたのかもしれないな、と思う。歳はとったが未だに苦手なアーティストには適切な評価が下せないし、好きなアーティストには過剰に反応してしまうのだ。

 

 

  選ばなかった選択肢は時に輝かしくなる。もしあちらを選んでいれば、とは何度も思うがそちらを進んでどうなっていたのかもわからない。良かったかもしれないし、思いがけぬ落とし穴でもっと悪くなっていたかもしれない。選んだ選択肢がどうなるか、それもこれから次第である。選んだ選択肢がどうであるかよりこれで良かったとこの先で言えるように日々を歩んでいかなければならないのかもしれぬ。そう、この選択を生かすも殺すも自分次第なのかもしれぬ。

  と、ここまで大真面目に山盛りのフライドポテトを前に考えた。昼ごはんを食べていなかったので、14時からの限定のメニューを頼んでみたのだ。いつもこの時間は授業を受けているので食べたことがなく、何だろうかとワクワクしていたらなんとバーガーと共に大量のフライドポテトが。いやいや、これは選択ミスだったかもしれぬ。おいしかったけれども。

 

 

 

 

"Dreaming of the day We have some alternative plans  Like holding hands And staring up And couting little stars Smart enough to know It's sort of just a little joke I'm sorry I never meant to be like this"