カレンダーガール

それはハッカ、これはにっき

メロンソーダ

  かっこいい生き方をしたい。

  かっこいいって定義が難しいけれど、とにかくかっこいい生き方を。どんな分野だって構わない、勉強でもスポーツでも音楽でもゲームでも。何でも本気でやっている人はめちゃくちゃかっこいい。なんかこう、ハリというか輝きが違う。

 

 

  ロックバンドが大好きだった。どうしようもない人たちが吐き出した行き場のない歌がたまらなく。SEX.DRUG.ROCK'N”ROLLを地でいく、一見クズみたいな人たちが歌うときだけかっこいいのが最高だ。

 

  最近のバンドが...云々は老害感が否めないが、やっぱり最近のバンドに心が動かされることは少ない。私の心が鈍ってしまったのか。バンド組んで明るい歌を歌って盛り上がるのもいい、それだって素敵なことだ。でも、冴えない人たちの鬱屈した叫びだって素晴らしいではないか。希望のない歌だって解決策のない悩みだって歌われて然るべきなのだ。いやむしろ、歌で吐き出すしかない。

 

 

 

  そうだ、私が憧れていたロックバンドはもっとかっこよくてヒリヒリしていたのだ。

 

 

 

  中嶋イッキュウさんの生き方が好きだ。tricotが好きだ。変拍子なんてものともせずむしろこの曲何拍子だっけ?って言ってしまう感じ、おもしろいことは何でもやってしまう感じ。かかってこいや!!って駆け出しのバンドが叫んで、終わる頃には満員にしてしまう感じ。

 

  歌詞カードやCDの表紙はおろか、曲名すら書かれてない、裏表もわからなくなりそうな銀の円盤だけが透けて見える。なんでこんな何でもつけられる今に、素っ裸で全力勝負みたいならことが出来るのか。そして、なんでこんなにワクワクさせられるのか。

 

 

  彼女たちはとってもロックだ、と思う。よくわかんなくていい、ただ踊れ。リズムのわからない変拍子に飲み込まれて持ってかれてしまえ。難しいこと抜きにして曲もバンドのスタイルも大好きだ。昨日買って帰ってからアルバムを10回以上通して聞いている。

 

 

 

  ヒリヒリするようなロックバンドが大好きだ。ロックだけで生きていくことを選択して、ヘラヘラしてるのに最高にかっこいいロックバンドが大好きだ。それは昔何でもなれると思っていた私が憧れていて、今の私がいわゆる普通の道を外れて、すべてを音楽に傾けることの難しさを身をもって感じる歳になったからかもしれない。

 

 

  恋愛でも何でも好きっていう論理的に説明し難い感情に身をまかせるのは心地よいがこわい。理屈じゃないからいつまでどのようにその感情が持続するかわからない。だからこそ、それに人生をかけるロックバンドが大好きなのかもしれない。

 

 

  久々に胸がアツくなった。

  文句なしにかっこいい。

  かかってこいや!!

  こんな生き方をしたい。

 

"夢を見ていたような夢だった  あの日のような甘ったるい後味だったんだ"