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カレンダーガール

それはハッカ、これはにっき

荒野を歩け ver.2

  今日は朝から京菓子つくりへと繰り出してきた。京菓子とは奇妙なものである。自分でつくってみるとわかるのだが、京菓子はただ色が違うだけの餡と餡と餡でつくられていたりする。そのままではまったくおいしそうには見えない。しかし、包んで形を整えて模様をつけると、それだけでおいしそうに見えるのである。よくお腹に入れば皆同じ!とは料理に失敗したとき思うことだが、やっぱり見た目も大事だと思った。存外、人間もそうなのかもしれない。

 

 

  その後、まさかの現地解散だったので急遽予定を変更し映画館へ向かうことにした。せっかく市内に出てきたのだから、映画を観に行かない手はない。二本ほど観たい映画があったが、その片方、「夜は短し歩けよ乙女」を観ることにした。

 

  結論から言うととてもおもしろかった。京都を舞台に、特に作者森見さんの母校の大学生のあれこれを描いた作品である。街や校内の描写のほとんどはどこか分かった。いつか巡りに行くかもしれない。あぁ、あそこじゃないか、あんな学生生活が送れてたのかもしれないのか(多分送れない)くそぉ...と、ところどころ勝手に古傷を抉られてもいたが。おもしろかった。加えて、観にきている人が原作好きが多かったようで、映画がはじまる直前まで来場者特典の冊子を食い入るように読む人や、終わった瞬間原作との違いを興奮気味に話し合う人々...などとても居心地がいい会場であった。隣の席に座っていた二人組が鑑賞後原作との相違点について熱く語っており、私も会話に混ざりたくて仕方なく五度見ぐらいして、うんうん、と心の中でうなずいていた。

 

 

  良い(この基準は個人によるものだが)映画や本を一作観終えたり読み終えたりすると胸がいっぱいになる。とてもわくわくする。今日もそんな感じで、このまま帰るのはもったいない、どこかで特別に一人でゆっくり過ごそう、と館内をめぐり結局ドーナツ屋さんに落ち着いた。途中クレープ屋を見つけ目が輝いたが、食べ歩き専門店で中でゆっくりとはいかなかったので遠慮した。クレープはまた今度である。

 

  そうして、そこで一息つきつつこうして書いているわけである。何日かは余韻に浸り楽しく過ごせそうだ。

 

 

 

  出来ることなら黒髪の乙女のように足取り軽やか天真爛漫に日々を過ごし、高らかに「お酒がある限り!」と言い放っていつかは美酒を求めて夜の街を闊歩したいものである。その日はまだまだ遠い、いや永遠に来ないかもしれないのだが...とか考えながら店を出たところで、自転車がドミノ倒しに倒れていくのを目にしたので片付けを手伝った。それだけでもともとの気分とあいまって気分は主人公である。夜の街を闊歩など出来ないが、駅の構内を意気揚々と歩いて帰宅した。私も御都合主義者なのだ。